| 第2分科会
幸福の王子 |
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| あらすじ ツバメが王子の銅像の装飾品を次々に毟っていくお話。 |
| 作品No.006 きつね99/5/31 |
きつね8, NITRO_17, 合計15 |
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もう、冬でした。つばめの仲間は南にエジプトに飛んでいってしまいました。 「つばめよつばめ、遠く町外れの小さなボロ家に、おばさんが住んでいます。彼女の 子供は高熱にうなされていますが、彼女は明日までにドレスを作らないと使用人に怒 られてしまいます。彼女に私の剣のつかにはめ込まれているルビーをあげてきてくれ ませんか」 「わかりました。でも彼女には、王子様の目にあるサファイアの方が似合っているよ うな気がするなぁ」 「そうかもしれません。では、そうしましょう。私の目から、サファイアを抜き取っ て、彼女に届けなさい」 「わかりました。でも、一つよりは二つ上げた方が、彼女、喜ぶと思うなぁ」 「そういうのなら仕方がありません。それでは、二つとも持っていってあげなさい」 つばめは飛び立って、しばらくして戻ってきました。幸福の王子様はつばめに言いま した。 「つばめよつばめ、私は目が見えなくなりました。街の上を飛んで、見たことを教え てくれませんか」 「あのぅ、もう、街にいる人はみ〜んな幸せそうです。貧しい人もいなくなりました し、みんな笑って暮らしています。ああ、なんてすばらしい世の中でしょう。王子様 に見せることができないなんて残念で仕方がないですね。まぁ、私の仕事もこれで終 わりですかね。ギリシャに旅立とうかな。そうそう、さきほどのおばさんには間違い なくサファイアを届けましたよ。ほんとに、間違いなく……」 |
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| めでたしめでたし。(き) これは賢い。(N) |
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| 作品No.008 NITRO_199/5/31 |
きつね8, NITRO_17, 合計15 |
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「いてててて。こら、何をする!」 「悪く思わないでください、王子さま。これも人助けだと思っていただければ」 そうしてツバメは一軒のあばら家の中にツイと入っていきました。 「うわっ、サファイアじゃないですか! 僕が貰ってもいいの? ありがとう、ツバメさん!」 「(白々しい奴め…) いえいえ、そんなお礼などいりません。 それより、昨日も申しましたことですが、外はもう凍えるような寒さです。 ただのツバメにはとても耐え忍べる季節ではありません。 お願いです。どうかこの冬いっぱい、ここに泊めていただけないでしょうか」 「うーん、どうしようかな。そりゃま、考えてやれないこともないけど……」 そう言うと少年はまたぼそっとつぶやきました。 「まだ左目もあったよね」 |
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| そ、それは、来年使おうと思ってたのに……。(き) | |
| 作品No.003 きつね99/5/31 |
きつね5, NITRO_18, 合計13 |
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神様は天使に言われました。 「この街の中で、一番尊いものを持ってきてご覧なさい」 天使は王子の銅像の剣の鍔に埋め込まれた大きなルビーと、目に埋め込まれている 輝くサファイア、そして体の金箔をはずして持ってきました。 神様は、大きくうなずいて、 「よろしい」 と言われました。 |
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| 心臓っぽいのもあったけど、鑑定してみたら鉛の作り物で、 おまけにキズ物だったからね (N) | |
| 作品No.004 きつね99/5/31 |
きつね7, NITRO_15, 合計12 |
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市長は幸福の王子像を見て驚きました。 「なんということだ。幸福の王子様はなんてみすぼらしくなってしまったのだろう。 これではいけない。すぐに宝石や金を持っている市民にそれを供出させ、幸福の王子 像を元通りの姿に戻すのだ。わかったな」 憲兵が市民から金とルビーとサファイアを集めてきて、幸福の王子像を飾り立てまし た。でも割れてしまった幸福の王子像のハートは、二度と戻ることはありませんでし た。そして冬のツバメも二度と飛ぶことはなかったのです。 * * * 神様は言いました。 「おい、天使よ。私にはかわいそうな幸福の王子像の姿が目に浮かびます。あの幸福 の王子に、私の目のサファイアを持って行きなさい」 「神様、そんなことをすると、神様の目は見えなくなってしまいます。それは私には できません」 「いいのだ。すぐに持って行きなさい。いくらかの慰めになるでしょう」 * * * 像の前で人相の悪い二人の男が話をしていました。 「おい、あの像を見ろよ。目が四つもあるぜ」 「本当だ。目はサファイアだ。二つ失敬していくか。目は二つの方がいいだろう」 「そんなこと言って、神様は見ているぞ。ばちが当たるぞ」 「いや、あの像を見ていると、なんとなくだいじょうぶな気がしてね」 |
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| 神様の目が届かなくなって、こんな世紀末を迎えてしまった……。 (き) | |
| 作品No.002 (す)99/5/14 |
きつね7, NITRO_14, 合計11 |
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後日、幸福の王子とツバメの善意に恩恵を受けた人たちに市役所から1枚の
文書が送られてきた。彼らがどん底に突き落とされたのは言うまでもない。 「市民広場にある『幸福の王子』像の老朽化について調査してみた ところ、貴方を含めて複数の人間が『幸福の王子』像の装飾部品 である宝石類や金メッキをはがして、その結果当初の予想より老 朽化が進んだと言うことが判明いたしました。 従いまして、くすねた装飾部品の弁済分とそれ相応の撤去費用な らびに修繕費用を合わせて下記金額分を負担していただく様お願 いします。なお、負担に応じない場合は法的措置を取らせていただ きますので念の為・・・・・」 |
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| もう少し先を見通せる王子であったなら。(N) | |
| 作品No.009 NITRO_199/5/31 |
きつね6, NITRO_15, 合計11 |
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「ツバメ君よ、街のずっと遠くを見てほしい。大きな屋敷が見えるだろう」 幸福の王子は言いました。 「そこの主人は、風采はあがらないが、毎日こつこつ働いている真面目な男だ。 長年の努力で蓄え込んだ財産を吐き出して屋敷を建てたのはつい先日のこと。 そこへ折悪しく、というか、この時期だからこそ狙われたのかも知れないが…、 この男、悪いやつらに盗みの疑惑をかけられてしまった。 周りの連中もそのデマをすっかり信じ込んでしまっている。 まあ疑われるのも無理はない。何せ、ひっそりと暮らしていた借家住まいの男が いきなり立派な屋敷を建ててのけたのだから。 いろいろやっかみの声も聞こえていたところへもって、更にこの無実の罪。 今彼はとても苦しんでいるようだ。そこで」 「私の剣の柄からルビーを引き抜いてそいつにやってくれ」 そして翌日。 「つばめ君、今度は向かいの屋敷に行ってくれ」 「そこのベッドに一人の坊やが伏せっている。 優しい両親で、家が裕福なこともあり、 これまで何不自由なくすくすくと育ってきたこの少年。 だが可哀相に、今となっては彼の命は残りわずか。 現在の医学ではどうにもできない難病にかかっているらしい。 もはや水さえも満足にのどを通らないような容体で、 医者たちもとうにさじを投げてしまっている。そこで」 「私の右目を引き抜いてその子に与えてくれないか」 「わかりました、王子様。ただ……」 とツバメ。 「それって、何か役に立つのでしょうか? 前々からお尋ねしようと思っていたことですが」 |
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| 何を言っているんだ。ただの嫌がらせだよ。(き) | |
| 作品No.010 NITRO_199/5/31 |
きつね5, NITRO_16, 合計11 |
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「王子さまからの贈り物です」 ツバメはルビーをコトリと落としました。 「あなたの美しいお姿を毎日ご覧になって、居ても立っても いられなくなって、そしてこの気持ちを是非とも伝えたい…………、 ということだそうです」 「まあ」 と目を丸くした娘。贈り物を手にとってみてもう一度驚きました。 これはガラス細工などではありません。正真正銘のルビーです。 そこでツバメの方へ向き直り、 「本当にいいのですか、こんな宝石を……ありがとうございます。 ところで、どんな方ですの? その王子さまって」 「それはあなたもご存じのはずです。 ほら、広場に立ってらっしゃるでしょう。あの“幸福の王子”ですよ」 「えっ、あの王子さま?!」 娘は一瞬言葉を失いました。 「信じられない! ではずっと覗いてらしたのね。あの高さから私の部屋を」 「ええ、そのようです。それもあなただけじゃないですよ。 街じゅうの家という家は皆ご覧になっているようで」 あくる朝。「覗きに注意!」のビラが街中に飛び交っていました。 若い娘のいる家はみなぴたりと窓が閉じられています。 「さあ、君はもうエジプトに飛び立ってくれ!」 「王子さま、どうしました? 今日はやけに不機嫌なようですが」 |
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| 「ああ、ツバメなんかに言うんじゃなかった」(N) | |