第1分科会
かさじぞう

JSP
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あらすじ
笠をかぶせてもらった地蔵が恩返しするおはなし
 高得点順に配列。右上数字は得点。各10点満点合計20点満点。
 青いページ(1頁目/全1頁)には10点以上の作品を載せてあります。


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作品No.010
NITRO_198/11/15

きつね7, NITRO_18, 合計15

それからしばらく経ったある日の晩。
なにやら外で騒がしい音がするので戸を開けてみたところ、 餅に米に酒にタンスに布団に...実にさまざまなものが庭先に積まれていました。
一体これはどうしたことかとおどろいてあたりを見回しますと 雪の中小走りで去っていくおじぞうさまが遠くに見えます。
「あれはこないだのおじぞうさま...」
「恩返しにきたのですよ。きっと」
ふだんから人に親切にしているといいことがあるものです、 とおばあさんはにっこり笑いました。おじいさんもにっこり笑ってうなずきます。
ふたりはおじぞうさまからの贈り物を家の中に取り込み、 早速ささやかな祝宴をはりました。
酒をつぎあい、肴をつつき、楽しく笑いあったそのときに

トン、トン。

「はいはい、どなたかな」
「こんばんは、警察の者です。ちょっといいですか..ああやっぱり。 この家財道具、あなたたちの物じゃないでしょ? ねっ?
いやあ、しかし人って見かけによらないもんだねえ。こんな人のよさそうな じいさんが一家全員を惨殺した上で家財道具をごっそり持ってくなんて。 我々も最初タレコミがあったときはまさかと思ったけど、 こう決定的な証拠を見せつけられちゃあ...
いや、知らないったって、もうそんなのは通りませんよ。 現場にあなたのあみがさも落ちてたことだし、 ここは大人しく観念した方が...え、なに? 地蔵が? はは、何ばかなことを。あんた酔ってるな。 じゃ、ま、続きは署に行ってからということで」
この盗人地蔵のアイデア、ぼくも考えたんですが、挫折してしまいました。 そうか、強盗地蔵にすればいいか。 (き)

作品No.013
NITRO_198/11/15

きつね8, NITRO_16, 合計14

「ほんとやさしいじいさんだなあ。ねえ、何か贈り物をしてあげようよ」
「なにばかなこと言ってんの? 止めとけ止めとけ」
「なんで? あのじいさんぼくたちに笠をかぶせてあげたんだぜ。 しかも何の見返りもなしに。あんな親切な人、今どきなかなかいないって」
「見返りもなし、って...じゃあ、そこの看板見てみろよ。あのじいさんが置いてったやつ」
「看板? どこにそんなものが...ああ、これか。えーと、どれどれ。
『わたしたち六地蔵も愛用しています。丈夫で長持ち手づくりのあみがさ。 お求め先は...』」
実際にありそうで怖い・・・。 (き)
広告塔ってやつ (N)

作品No.002
きつね98/11/15

きつね5, NITRO_18, 合計13

 寒い年末でした。不景気なので、村に帰ってくる行商のおじいさんたちは、みんな大量の在庫をかかえていました。
 町から村に向かう道沿いに、道に沿って六つ並んだ六地蔵がありました。そこへ、笠売りのおじいさんが通りかかりました。
「おう、寒そうじゃのう。ちょうどここに売れ残りの笠がある。かぶせてやろう」
 おじいさんは、町に近い方のお地蔵さんから順に笠をかぶせていきました。美しくて丈夫そうな笠でした。しかし、笠は五つしかありませんでした。おじいさんは、六つ目のお地蔵さんに向かって言いました。
「五個しかないんじゃ。すまんのう。これで我慢してくれや」
 おじいさんは自分がつけていた頬被りの汚い手拭いを最後のお地蔵さんに丁寧にかぶせ、一礼してから、村の方に歩いていきました。
 六つ目のお地蔵さんの目に涙が浮かびました。
 しばらくすると、今度は服売りのおじいさんが通りかかりました。
「おう、寒そうじゃのう。ちょうどここに売れ残りの服がある。着せてやろう」
 おじいさんは、町に近い方のお地蔵さんから順に服を着せていきました。暖かそうなきれいな服でした。しかし、服は五着しかありませんでした。
「五着しかないんじゃ。すまんのう。これで我慢してくれや」
 おじいさんは自分がつけていた汚い腹巻きを最後のお地蔵さんに巻いて、一礼してから、村の方に歩いていきました。
 今度は手袋売りのおじいさんが通りかかりました。
「おう、寒そうじゃのう。ちょうどここに売れ残りの手袋がある。つけてやろう」
 おじいさんは、町に近い方のお地蔵さんから順に手袋をつけていきました。きれいな毛糸の暖かそうな手袋でした。しかし、手袋は五つしかありませんでした。
「五つしかないんじゃ。すまんのう。これで我慢してくれや」
 おじいさんは自分がつけていた穴の空いた汚い軍手を最後のお地蔵さんにつけて、一礼してから、村の方に歩いていきました。
 そこへ、売れ残りの半天を五着だけ持ったおじいさんが通りかかりました。おじいさんが町に近い方のお地蔵さんから順に半天を着せていこうとしますと、反対側のお地蔵さんの方角から声がしました。
「あのう、すまんが、たまにはこっちから順番につけてくれないかな」
そうすると今度はボロな方から順につけられたりする (N)
手袋って、お地蔵様につけられるんだ・・・。(き)

作品No.005
きつね98/11/15

きつね6, NITRO_15, 合計11

 おじいさんは、売れ残った笠と、自分の汚い頬被りをお地蔵様にかぶせ、吹雪の中を凍えそうになって帰ってきたことをおばあさんに言いました。おばあさんも喜んでくれ、なんとええことをしたもんじゃ、来年はきっといいことがあるべ。と言って、二人は床につきました。
 翌年の大晦日、景気はさらに悪かったので、おじいさんの笠は六個も売れ残りました。おじいさんは六つの笠を六地蔵につけてあげました。お地蔵さんは言いました。
「よかった。これでワシも暖かいし、おじいさんも、寒い思いをして家に帰らずに済む。めでたしめでたしじゃのぅ」
再来年は、どうなるのかな。(き)
前の年につけておいた5つの笠はどこへ? (N)

作品No.008
NITRO_198/11/15

きつね5, NITRO_16, 合計11

町からの帰り道、おじいさんが肩を落としながらとぼとぼ歩いていると、 広い野原にお地蔵さまが6つ並んで立っているのが見えました。
大雪の日のこと。野山の草木と同様、お地蔵さまの頭の上にも 雪が降り積もっています。
これはさぞ寒かろうに、と思って近づいていきますと、 その足下に置いてあるおそなえものがふと目に入りました。
こういうさびれた場所にも親切な人はいるものだ、としばらくおそなえものを ながめているうちに、おじいさんはやおら顔を上げてぐるりと見回しました。
あたりにはおじいさんとお地蔵さまのほかに誰もいないようです。
そうしてもう一度お地蔵さまの足下に視線は移っていきました。

「おーい、ばあさんや、いま帰ったぞー。はは、今日の成果は上々じゃ。 ほれ見てみ。こんなにいっぱい、餅に、みかんに、...」
「おじいさん、それって......」
それに、つけてあった新品の笠も持って帰ってきたんじゃよ。(き)
その日の夜、お地蔵さまがおじいさんの家を訪ねてきました。仕返しのため (N)

作品No.012
NITRO_198/11/15

きつね4, NITRO_17, 合計11

その日の晩。どすんどすんという突然の物音でおじいさんは目を覚ましました。 こんな真夜中に一体何事かと寝ぼけまなこで外に出てみますと、 なんとまあ、あのおじぞうさまたちがのっしのっしと歩いてくるではありませんか。 その手にはびしょ濡れになったあみがさが。
「おじいさん、昼間は本当にありがとうございました。あみがさを返しにきました。 それだけなんですが.....おや、何かご不満ですか?」
「いや...」
期待してちゃいけない (N)

作品No.003
きつね98/11/15

きつね7, NITRO_13, 合計10

 六体の観音様がありました。吹雪の大晦日の日、手袋売りのおじいさんが売れ残りの手袋をたくさん持ってその前を通りかかりました。観音様が寒そうにしていましたので、おじいさんは言いました。
「寒そうだから手袋つけてやりたいが、でもね、いくら何でもそんなにたくさんは持ち合わせがないよ」
 六体の千手観音は残念そうに頷きました。
千手観音「ちっ、全然売れなきゃよかったのに」(N)

作品No.004
きつね98/11/15

きつね6, NITRO_14, 合計10

 深夜、おもてが来客があったので、おじいさんが雨戸をそっと開けてみますと、そこにはお地蔵さんがたっていました。
「あのぅ、やっぱり最後のワシの笠も作ってくれんかなぁ。寒ぅて寒ぅて」

作品No.011
NITRO_198/11/15

きつね6, NITRO_14, 合計10

翌日おじいさんが町に出ていくと、 涼しい顔で笠を売りさばいているお地蔵さんの姿がありました。
しかもおじいさんより商売上手 (N)


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